ひび割れホワイトボード

サハーにおける真人間となるために四苦八苦しているプシュケー的主体はゲデの導きによりその構造領域を集合的無意識まで遡りアストラル光を媒体にSurfaceを通じて宇宙と繋がり内なる自己との対話を繰り返す無限の虚無を表記し続けるただの社会復帰日記

「航行の自由」作戦に参加?米海軍との共同巡航訓練について

 先日、気になるニュースがあったので少しフォローして見ます。

diamond.jp

www.cnn.co.jp

 

 語られている内容については、稲田防衛大臣が訪米し、CSISで講演を行った際に示した今後の日米軍事協力方針の一つである、といったものです。

 一瞬、「航行の自由」作戦(Freedom of Navigation 以下FONと記述)に参加する旨を示したのか?と思ったのですが、現状ではそこまで決めたわけではなさそうです。

 

防衛省・自衛隊:防衛大臣臨時記者会見 平成28年9月16日(07時54分~08時07分)(日本時間)

引用

Q:先ほどの、南シナ海での共同巡航訓練というのは、アメリカが今やっている「航行の自由作戦」の一部としてやることでしょうか。

A:「航行の自由作戦」に参加するということではありません。

 南シナ海がとてもホットな現状で、海自と米海軍の共同で巡航云々と聞いたらFONかと思ってしまうところでしたが、現状考えられているのは共同訓練の一つとして巡航訓練を行う、という趣旨のようです。よくよく考えたら訓練と作戦じゃ全然違うじゃないかと・・・。

 最近行われた日米間の共同巡航訓練の内容を見てみます。以下に2件。

本邦西方海域で実施した日米共同巡航訓練の記録 28.3.10(木) | 海上自衛隊イベント情報 臨時広報室

日米共同巡航訓練 「Rainier」との洋上補給の様子 海上自衛隊 | 海上自衛隊イベント情報 臨時広報室

 1件目は「いなずま」「しまかぜ」とJohn C. Stennisの巡航訓練。2件目は「さみだれ」とJohn C. Stennis, Stockdale, Rainierと4隻の訓練。こちらではハイラインも実施された様子が写真で見ることが出来ます。

 

 稲田防衛大臣のコメントはこうした通常の訓練を通じて南シナ海での活動を強化する、という意味合いのようです。となると、今までとあまり変わりはないのかなという印象。

 なお、本件については中国側からもしっかり牽制が飛んできており、案の定日本語化してくれていたので引用します。

日米が南中国海で共同巡航へ 中国は絶対に容認しない_中国網_日本語

引用

日米が南中国海でいわゆる共同巡航もしくはその他の軍事行動を展開した場合、中国がこれを座視することはないとはっきり伝えていた。駐日本中国大使の程永華氏も同月下旬、日本の自衛隊が米軍の南中国海における航行の自由作戦に参加した場合、中国の譲れないラインを超えたことになり、中国はこれを絶対に容認しないと日本政府の高官に表明していた

 

 南シナ海における海自の何かしらの行動は、中国にとって刺激を与えるものであり、特にFONの参加は中国の譲れないラインを超える、とのこと。

 

 ところでこのFON、必ずしも中国のみを念頭に置いたものではなく、むしろ昔から(30年くらい前からか)行われていた行動であったりします。FONの趣旨はあくまで海洋における航行の自由を守るために行われているものであり、諸外国の海洋に関する過剰な主張に対して行われています。そのため実施地域も世界各地になります。一方で米軍はFON実施地域に対してどの国の主義主張に与するものでもなく、また対抗するものでもない、といった趣旨の声明も発しています。

 ちなみにFONの対象国として現在は、中国の他にインドネシアやマレーシア、フィリピン、アジア以外ではインドやイラン、リビア等が入っているようです。過去には日本が対象とされていた年もあったりします。

 

 少し前に米国防省によるFONの年次報告書を見つけたので、それをもとに記事を書こうと思いましたが長くなってきたのでまた次回。